NMNとアルコールと肝臓
元論文:Chronic alcohol binging injures the liver and other organs by reducing NAD+ levels required for sirtuin's deacetylase activity
アルコール性肝炎におけるNAD+の低レベル化
SIRT1活性は十分なレベルのNAD+に依存しており、BALが高いときにはNAD+が不足しているので、この議論はアルコール性肝炎の病態生理においてNAD+が果たす役割に移ります。
アルコール乱用と変化
ラットにエタノールとレスベラトロールを加えたものと加えないものを与えたところ、レスベラトロールを加えた方が病態重症度スコアは高く、SIRT1レベルは、アルコールだけを与えたときに起こるような上昇ではなく、コントロールレベルになりました。
NAD+が関係
エタノールを与えたラットの肝臓ではNAD+のレベルが低いと、どのような影響があるのでしょうか? NAD+に依存するすべての酵素活性が停止し、すべてのサーチュインが停止してしまいます。 脱アセチル化に依存するすべてのタンパク質が安定化するのです。
老化
H3K9、H3K14、H4K16などのヒストンを含む、サーチュインによる脱アセチル化に依存した遺伝子発現のエピジェネティックな制御が停止してしまいます。
健康寿命との関係
サーチュインを活性化するNAD+が不足すると、寿命が短くなり、健康寿命も短くなるのです(Mitchell et al.、2014)。 例えばヒストンのアセチル化は、エピジェネティックに安定化されるでしょう。
仕組み
SIRT1、3のNAD+依存性は、概日時計の調節に関与しています。 概日時計のNAD+サイクルは、ミトコンドリアの酸化的代謝を駆動します(Peck et al.) NAD+はニコチンアミドホスホリボセトランスフェラーゼ(NAMPT)によって合成され、NAD+合成と太陽サイクル中のエネルギープロセスを結合させる概日時計中の転写オシレーターでなのです。
まとめ
脂質の酸化とミトコンドリアタンパク質のアセチル化は、時計駆動のサイクルに対応した振動を起こします。