NAD+と脂肪酸分解

元論文:A peroxisomal carrier delivers NAD+ and contributes to optimal fatty acid degradation during storage oil mobilization


NMNの働き

細胞質NAD+をペルオキシソームに取り込む輸送タンパク質の存在については、数十年にわたり論争が続いている状態です。 しかしながら、細胞質でNAD+が生合成されると、多くの還元・酸化(レドックス)反応に必要なNAD+のペルオキシソームへの輸入が必要となります。

NMNやNAD+とは

しかし、このような輸送系をコードする遺伝子は、真核生物ではまだ同定されていません。 ここでは、シロイヌナズナのペルオキシソームNAD+輸送体について説明していきます。 候補遺伝子At2g39970は、ミトコンドリア担体ファミリーの一員をコードしているのです。

研究と発見

我々は、蛍光顕微鏡を用いて、そのペルオキシソーム局在を確認しました。 長い間、At2g39970はペルオキシソームATPトランスポーターであると考えられていました。 今回、このリコンビナントタンパク質がNAD+の輸送を媒介することを示すことができたのです。

脂肪酸分解の理由

そこで、At2g39970はPXN(peroxisomal NAD+ carrier)と命名されることとなりました。 シロイヌナズナのPXNが欠損すると、苗立ちの際にNAD+依存的なβ酸化に異常が生じます。 また、貯蔵油から放出される脂肪酸の分解が遅れ、pxn変異体苗ではオイルボディが保持されるようになったのです。

アンチエイジングへの期待

ここれらの結果から、PXNは貯蔵油の動員時に最適な脂肪酸分解のためにNAD+を供給していることが示唆されたのでした。

研究は始まったばかり

NMNとNAD+には大きな期待が寄せられており、脂肪酸分解に期待が寄せられています。

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